†すべてはこの夜に

身を震わせて私が昇つめると、時田も気がすんだのか私の体の上から降りた。


シャワーを浴びに行く時田の後に、私も怠い体を起こして続く。

時田の体を流すために。


時田の体の隅々まで丁寧に洗って、その後は水滴一滴も残さないよう念入りにバスタオルで拭き取った。



私が手伝って身繕いを済ませた時田は、私が手配したハイヤーで日付が変わる前にこのマンションを出て行った。


エントランスで時田が去るのを見送ると、私は気怠い体を引きずるようにして部屋に戻る。



時田が来た後は、本当に消耗してしまう。

私の中の、大切な何か、が確実に削り取られていくのを感じる。


…それでもずいぶん楽になったのだけど…---

『挿入』と言う行為がなくなっただけでも…---



部屋にたどり着いた私は、リビングのソファーに崩れるように身を投げる。

目を閉じると自然に深い溜め息が零れおちた。



これでまた一週間、時田に会わずにすむ…

そう考えると少しだけ気持ちが緩んだ。
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