獣は禁断の果実を蝕むのか。
まだ少しピリピリと痛む口の中。
きっと、ガラスで切っちゃったんだ。
口元を抑えながら、給湯室に向かって。
イタズラに利用されたお弁当。
これを作っている人は、こんな事をされるために作ったんじゃないのに。
じんわりと目に涙が溜まる。
痛いのは口の中だけじゃなくて。
甘い香りに優しさを感じて、ほんの少しだけ舞い上がった自分の心も痛くて。
それを認めたくなくて。
かわいそうなお弁当に理由をつけただけ。
ギュッとお弁当箱を握りしめると、両手で高く持ち上げて。
バコンッと勢いよくゴミ箱に投げ捨てた。
こうなったら一日も早く。
デジウェアを手に入れて、こんな会社、こっちから居なくなってやる!!