笑う門にはオレ様がきた!!
4NAGOMU

ふっ切れないオレ

久しぶりに水族館へと来た。


この水族館を見て
オレの存在を知ったと言うアイツ。


そのアイツが水族館に来て
改めてデザインの道に進んだことを
良かったと笑顔でオレに言う。


その笑顔には何の計算も偽りもなく


オレはどうしていいのか解らなくて
ただ、目を反らす…。


かろうじて一言返すものの
今度は真っ直ぐにオレを見つめる
コイツの目に戸惑ってしまう。


お前はどうしてオレの中へと
何の躊躇いもなく入ってくるんだ?


お前の真っ直ぐな眼差しに
オレは応えてやることができるのだろうか?


オレは少しずつ気付き始めている。


お前の笑顔にイライラしていた筈が


今じゃオレだけにその笑顔を見せろと思う。


お前の真っ直ぐな目に戸惑っていた自分が
今じゃその目に惹かれてしかたない自分に


この感情を何て呼べばいいんだ。


オレはまだ気づかないフリをする。


本当はアイツに出会った時からーーー







ーーーーーもう解ってると言うのにな













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