スイートスキャンダル

★その寝顔は凶器です。

―――――――…



旅館に戻って来たのは夕方で、夕食の時間まで2時間を切っていた。


「先にお風呂に入りますか?」


「そうね」


柊君の提案を聞いて何故か心臓が跳ね上がったけど、すぐに平静を装って頷いた。


「じゃあ、俺は大浴場の方に行って来ますから、戻って来たらまた鍵を開けて下さいね?時間は、昨日と同じくらいで大丈夫ですか?」


あたしの態度に何も感じなかったのか、彼は普通に笑みを浮かべていたけど…


「柊君、また大浴場に行くの?」


あたしはそれが気になって、思わず瞬きをしながら尋ねていた。


すると、柊君はクスリと笑って瞳を僅かに緩め、意地悪な表情を見せた。


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