想 sougetu 月
 斎とのえっちが見せてもらった結果だと思うと、微妙な気持ちになる。

「他の女で試して欲しかった?」
「そんなの嫌っ!」

 大きく首を振ってみせると、斎は嬉しそうに笑った。

「ま、試そうとしても立たないだろうけどね」
「どうして?」
「月子にしか興奮したことないから」


 さらっとすごいことを言われてわたわたとしてしまう。

 斎はそんな私を見て楽しそうに優しいキスを落とす。
 なんどされても幸せになれる甘いキスを受け、やっと我に返った時は、自分達が道路の真ん中にいることに気づいて慌てる。

 見られてないか辺りを見回すがタイミングが良かったのか誰もいない。

「いまさら見ても遅いよ。もう5人くらいに見られてるんだけど?」
「え!」
「ばか月子」

 恥ずかしい事実にパニックになる私の頬に斎は笑いながらわざと音を立ててキスする。
 落とされたキスがくすぐったい。

 斎となら、私はいつでもどこでも幸せでいられる。
 私が斎に愛していると囁くと、斎はいつも嬉しそうに笑う。

 いっぱい愛されて、こうして私は幸せな真ん中誕生日を過ごした。

 手を伸ばせばいつでもそこにある優しい温もり。

 もう想いの雪は降り積もらない。
 だって、積もる前から解けていくのだから……。




                          - END -
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