ケータイ小説 『肌』 著:マサキ
あんな痛い思いをするのは、もうごめんだ。
自分がこんなに弱虫だったなんて、思わなかった。
夢を追って勉強したり、好きな人に夢中になっている高校生のコを見て、
このままじゃダメだ、
真剣に生きないと将来後悔するかもしれない、
そう思うのに、堕落(だらく)した今の生活は楽過ぎて、やっぱり私は変われないんだなと、あきらめが先行してしまう。
物心ついた頃から仲良くしていたアサミとの交流がしんどくなってしまったのも、私の変化が原因。
時々してた、ささいなケンカとはワケが違う。
マサキと別れた後、しばらくすると私はあからさまにアサミと距離を置くようになり、それまでみたいに恋愛の話をしなくなった。
最初アサミは、私の変化に気付くことなく、話しかけくれた。
アサミはアサミで失恋をしていたけど、すぐに次の彼氏を見つけて幸せそうにしていた。
マサキのことを引きずって真面目な恋愛をしなくなった私とは大違い……。
アサミの強さがうらやましく、同じくらい、アサミの幸せな話を聞くのは嬉しかった。
でも、そんな純粋な恋愛をしてるアサミに、私の心情は理解されないだろうなと思うと、やはり、彼女とは離れて付き合うしかなかった。
《Ⅰ 満たされない……終》