蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~




卓海は玄関で靴を脱ぎ、スタスタとリビングに入った。

そのままダイニングテーブルにどさっと袋を置く。

絢乃は袋を見、首を傾げた。


「・・・あの、それは?」

「とりあえず昼飯と栄養剤と、その他諸々だ。お前ら、まだ昼飯食ってないだろ?」

「あ、はい・・・」


どうやら昼食を買ってきてくれたらしい。

これから買い物に行かねば、と思っていたところなので正直助かる。

鬼とはいえ来客なので、とりあえずお茶でもと思い絢乃はキッチンに立った。

その後ろで、卓海が慧の部屋のドアをガチャっと開ける。


「おい、どうだ、調子は?」

「───最悪だよ。まさに今、この瞬間が一番最悪だ」

「・・・御挨拶だな、おい」



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