逢いたくて
譲との思い出に浸っているうちにいつしか雨が降り出した

私が流したい涙の分が降り出したかのような土砂降り

すぐに全身がびしょ濡れになり強い雨のせいで息がしずらい…

やっと現実に戻った私は家に帰ろうと思い立ち上がった

『クラリ』「あれ?」

足にうまくちからが入らず派手にしりもちを着いた私

地面についてしまった体は泥だらけ

濡れた体にどんどんとまとわりつく

その砂が私の心のどろどろしたものとリンクして見えた

「いやだ…いや…」

気づいたら無心でその砂を拭おうと足をこすっていた

「いやぁ~」

どんどんとエスカレートしていても興奮しすぎている私は気づかない

「ハァ…ハァハァ…」

うまく息ができない…

苦しい…
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