猫が好き!


 とても、そこまで泥酔しているようには見えなかった。

 足取りは多少フラついていたものの、顔色も変わってなかったし、はっきりとしゃべっていた。
 眠り込んだ後、たたき起こしたら、自分で階段を上がり部屋に入ったのだ。


「うーん。断片的には覚えてる。真純さんに怒鳴られた事とか、番犬になるって言った事とか……」


 ゆうべの記憶が蘇り、ドクリと鼓動が跳ねる。
 少しドキドキしながら尋ねた。


「その先は?」
「……全然。だから、どうやって寝たのかわからない」


 少しホッとしたと同時に、記憶のない酔っぱらいに翻弄されていたのかと思うと、無性に苛つく。

 真純は顔をしかめてシンヤを睨んだ。

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