猫が好き!


 家に帰って玄関を入った途端、奥からシンヤがものすごい勢いで駆け寄ってきた。


「真純さん、おかえりーっ!」


 呆気にとられて立ち尽くしていると、抱きすくめられた。
 シンヤはそのまま背筋を伸ばして、軽々と真純を抱え上げる。
 足が宙に浮いて、逃げられなくなった。


「ちょっと! 何?」


 真純の抗議を無視して、シンヤはギュッと抱きしめると、肩の上で大きく息をついた。


「よかった、無事に帰ってきて」


 何を大げさな、と思いながらも、シンヤの心底安心したような声が心地よくて、真純は少し笑いながら返事をした。


「うん。ただいま」

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