猫が好き!


 ところがハルコが何を捜しているのか探っていく内に、その原因がセキュリティ事業に関係している事が分かったらしい。


「どうやら初恋の彼に再会したらしいのよね。メッセージのログが残ってたわ。
多分、彼を捜してるんだと思うの」

「でも、それって、わざわざコソコソ話すような事なの?」


 真純が口を挟むと、瑞希は真剣な表情で話を続けた。


「問題はそこじゃないのよ。ハルコがセキュリティ事業で再会したって事は、彼は不正アクセスを行ってたって事なの。その日時は三日前の夜。場所はあんたんちの近所のビジネスホテルよ。ハルコが通報してセキュリティ会社が駆けつけた時には、ホテルの部屋はもぬけの殻だったそうよ。そして翌日の午前中、同じ会社のサーバにまた不正アクセスがあったの。同一人物かどうか分からないって管理担当者は言ってたけど、私は同一人物だと思うわ」

「どうして、そう思うの?」


 真純の問いかけに、瑞希は確信に満ちた目で告げる。


「だって二回目のアクセスはあんたんちからだったんだもの」

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