愛するが故に・・・
始まり
『いらっしゃいませ…』


私は笑顔で声をかけた。

今キャバクラでバイトをしている時間。
私は森本理香(モリモト リカ)、お店では加奈(カナ)と呼ばれている

私は母と二人で生きてきた。
母は父親がいないことを感じさせないくらい私を大切にしてくれたし、お金にもさほど不自由した記憶がない。

私が大学三年の時に、母は持病で倒れそのままこの世を去った。
身寄りもなく天涯孤独となった私。

さみしさを感じている暇もなく、生活を考えなければならなかった。

まずは、大学の費用の事。

大学に確認すると、すでに卒業までの費用は振り込まれているとのことで、まずは一安心。

母の荷物を整理していると、引き出しに大切そうに包まれた手紙と通帳を見つけた。
通帳を開くと私が見たことがないくらいの金額が預金されていた。
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