《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
『華の彩宴』が開催されているホテルの最上階の展望レストランでディナー。



嗣成様は私の目の前に座って、ワインを飲んでいる。
着ているスーツは上質のブランドスーツ。



ワイングラスをゆっくりと置いて、軽く咳払いをする。


彼のどんな仕草も、私の瞳にはカッコ良く見えた。



「ねぇ?柏木さん。君、付き合ってる人は?」


「いません」


「なら、俺と結婚を前提に付き合ってくれる?」


「えっ!!?私が嗣成様とですか?」
私は聞き間違いかと思い、粗相のないように訊き返した。



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