《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
「お電話…代わりました」


ーーーーあのう…私…


「本当にすいません。昔の俺は…何も考えてなくてそのう、柏木さんを傷つけるようなコトしてしまって…」


俺は懸命に言葉を選んで、話すけど続かない。


「俺と恋を始めてください」



俺は彼女の返事を待つ。
ケータイを持つ手が小刻みに震えていた。
ほんの数秒だけど、時間が長く感じられる。
不安で堪らなかった。


ーーーーはい


小さなか細い声が俺を安堵に導いた。



紫陽花の花のように少しずつ俺たちの恋も色を変化させていく。





    END



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