《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
「・・・単刀直入に言うが…相馬社長は何のおつもりで、ウチの秘書をここに?」


「別に…単に新しい秘書の教育をお願いしただけで。お宅の会社の秘密を盗もうなんて気は毛頭ないです。濱部社長」


「でも、相馬社長が化粧品業界に新規参入を検討してるコトは知ってますよ」


「一昨年、売り上げ4000億、去年は3500億とやや下がりましたが、それでも業界ではNO1の星凛堂さんだ。ウチを脅威と思って頂けているなら光栄ですね」


二人の間の空気はピンと糸のように張り詰めていた。



「栗原お前に育児休暇を与えたが、他社でアルバイトをしていいとは言ってない。社則に従うなら、お前はクビだ」


「クビなら俺が面倒見てやるから…安心しろっ。栗原」


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