朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
き、妃?


妃って天皇の妻のことだよな? と柚の頭の中は混乱でぐちゃぐちゃになった。


 驚き慌てふためく柚と動揺に、家来たちも一様に帝の決定に驚いていた。


「失礼ながら今一度確認致しますが、それは本気でしょうか?」


 貴次は頭が痛いのか、目を瞑りこめかみを抑えながら聞くと、暁は胸を張って堂々と答えた。


「当たり前だ。余に二言はない。柚を余の妃とする!」


 暁は満面の笑顔で言い放ち、貴次は大きなため息を漏らした。


帝の言葉は絶対で覆ることはあり得ない。


「はあああ~~!?」


 朱雀の起こした光は消え、屋敷内にいつもの夜が訪れた。


しかし柚の叫び声は遠い邸宅の外まで響き渡ったのであった。
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