【TABOO】この恋は誰にも知られてはいけない
初めて訪れたこの図書館は、少し暗く、窓から光が線を描いて差し込んでいた。
綺麗に並んだ本たちが放つ独特な匂いは、雨上がりの地面から立ち上る靄にも似て、静けさがいっそう匂いを濃くしていた。
本棚の間を歩いているうちに、私の心はいつの間にか深い森を歩いている様な錯覚に陥った。
深く静かに息を吸い込み、本の森を歩く
森の中、一人の男性が視界に入った――
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