キモチの欠片

驚きのあまりガバッと飛び起きた。

「痛っ、」

あ゛ぁ、頭が痛い。
それよりなんで葵が寝てんの?
もしかしなくてもここは葵の部屋?

完全にパニックだ。

あたしが起き上がったことによりシーツが捲れ、葵の上半身裸の身体が露になった。

は、裸っ?

ちょ、ちょっとこれはどういうこと?
裸ってまさか……。

ヒンヤリとした空気がダイレクトに肌に感じ、嫌な予感がして自分の身体に恐る恐る視線を落とした。


「えぇー、」


なにこれ……。
下着だけってどういうこと?

サァーと血の気が引き、シーツを手繰り寄せ身体を隠した。

あたし、もしかして葵とヤっちゃったとか?
いやいや、でもそんなはずはない、と思う。

断言できないのが悲しいところ。

参ったなぁ、全然覚えてない。
時間を戻せるなら戻したい。

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