椿ノ華



普通にしなければいけない。

そう思うのに、言葉が出なくて。


『…何かあった?』

「…あの、いえ、何も…。私も本読んでて…」


そう言った瞬間、車が通り過ぎた。


「…!」

やばい…!



慌てて通話口を塞いでも、間に合わなくて。


『…今、外なの?』

「…はい」

『…待ってて、直ぐに行く』



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