♡祐雫の初恋♡

「こちらこそ、

 お茶の時間に付き合ってくれてありがとう。

 それでは、ここで。御機嫌よう」


 慶志朗は、東野邸の門まで、祐雫を送り届けると踵を返した。



「お送りくださいまして、ありがとうございました。

 それでは、御機嫌よう。ごめんくださいませ」


 慶志朗に手を引かれた右手を左手で包みながら、

 祐雫の頬には、大粒の涙が光っていた。



 祐雫は、門前に佇み、

 慶志朗が森の中へ見えなくなるまで見送った。





< 39 / 201 >

この作品をシェア

pagetop