溺愛マリオネット


初めは抵抗した。
何度も何度も、正幸さんと叫んだ。
声がかすれるほど。


でも私は弱いから…愛されることを知らなかったから。

人に、正幸さんに愛されたら私はどれだけ幸せだろうと考えてしまったから。


だから、


彼を

正幸さんを


受け入れてしまったんだ。




章悟さんの時に泣いていたあの蝉の声が聞こえてきた。



その鳴き声はすごく悲しい声をしていた。





なんて私は弱いんだろうー・・・・・・



あの時に出来てしまった章悟さんの子供の命をわずかに感じながら正幸さんに抱かれたー…。
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