製菓男子。
ドアには「CLOSE」という札が下がっている。
それにも関わらず店内に入ってきたのは、英語が読めない小学生だからだろう。
少年のジャージの名札には「二年」と書かれている。


「これで買えるものありますか?」


緊張しているのか声の調子が外れている。
ミツキに差し出したその手の平には百円が載っていた。


「見てのとおり、売り切れちゃってるんだよね」


少年はあたりをきょろきょろ見回すと、みるみるうちに背中がまるく萎んでいった。


「―――買わないと、許してもらえない」


蚊の鳴くような弱々しい声で少年が呟いた。
ミツキは聞き取れなかったようで首を傾げている。
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