上司と上手につきあう方法【完結】
まだ、時計は午後の三時を過ぎたばかりだ。夕食の7時までにはかなり時間がある。
お茶を淹れ、テーブルの上に会社から支給された『旅のしおり』の伊豆の観光レジャースポットを広げ、額を寄せ合い「ああでもない」「こうでもない」と議論するのも、また楽しい時間だった。
そして私は、同時にぼんやりと部長のことを考えていた。
永野部長、今頃何してるかな。部屋でゆっくり休んでるかな……。
バスを降り、割り振られた部屋へと向かう部長は、だいぶ元気を取り戻していたように見えたけれど、やっぱり気になる。
夕食には顔を出せるんだろうか……。
「はい、先生っ!」
突然、伴ちゃんが元気よくびしっと手を挙げた。
「はい、伴ちゃん!」