上司と上手につきあう方法【完結】
「いや、まあ、実際こういうところが抜けてるんだよな……」
そう言われるとそうかもしれない。
仕事じゃバリバリ、ミス一つしたことないイメージだけど、プライベートの部長って、ちょっと……いや、だいぶ抜けてる気がする。
本人もそういう意識、あったんだ。
思わず笑ってしまった。
そんな私を見て、部長はほんの少し唇の端を持ち上げる。
「平尾」
「――は、はいっ……ごめんなさいっ!」
笑っちゃまずかったかと慌てて口元を押さえたのだけれど――
「少し、二人で話せるか」
部長の発した言葉は、まったく想像もしていないものだった。
――――……