政略結婚~天使に導かれて~
ピンポーン ♪

ガチャ  「どうぞ・・・」

「愛、あなた、その顔・・・どうしたの?」

「楓・・・・・」楓の前で、ポロポロと、また泣き始めた。

楓に、昨夜の話をし、結婚式前日の孝太郎の話もした。

「許せない!なんなのよ!子供が出来たら、愛人でもなんでも作れって!
 どういう事よ!」

「愛、すぐに離婚よ!離婚しなさい!だいいち、夫婦間でもレイプは
 犯罪になるのよ!訴えなさい!」

「・・・・・・・」

「信じられない・・・・こんな事になってるなんて・・・・・」

「ごめんね。私が、意気地がないから、こんな事になるんだよね・・・」

「愛のせいじゃないわよ。それに、そんなに島津さん、愛人が大事なら
 愛人と結婚すればよかったのに・・・。」

「・・・・・・・・・・・」

「とにかく、愛、このままじゃ駄目よ!ちゃんと、島津さんと話を
 して、お互いきちんとした夫婦関係が築けないなら、離婚した方が
 良いわよ・・・」

「うん、解ってる・・・・。ごめんね、心配させて・・」

「良いのよ。それより愛、ご飯、食べた?」

「ううん、まだ・・・何もする気になれなくて・・・・」

「じゃー、着替えておいで。どうせ、旦那は、ここに来ることがないのなら
 好きなもので、この部屋を埋め尽くしましょ!」

「うん、ありがとう。支度してくるね」

楓のお陰で、少し元気になり、どうせ戸籍だけの関係なら、今は、
好きな事をして過ごそうと、明るい色のワンピースに着替え、
楓と、食事と買い物に出かけた。
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