政略結婚~天使に導かれて~
愛は、そんな颯太に呆れながらも、幸せを噛みしめていた。

そして、颯太の言葉通り、朝食を食べると、眠くなってきたので
また、眠りについた。

一方、颯太は、会社に出勤すると、秘書課の相楽に

「今日から、暫くお願いします。」

「はい、こちらこそ、よろしくお願いします。」

颯太は、栞の代わりに、もうすぐ退職する博美に、仕事をお願いした。

そして颯太は、人事に、栞の後任は、男性にしてもらうように
手続きを取っており、その後任が決まり次第、博美がその子を指導し
引き継ぎをして、博美は退職する段取りになっている。

栞は、暫くは、秘書課の課長の補佐に付き、その後会社全体の人事異動が
7月にある為、その時秘書課を離れてもらうことになっていた。

しかし、その日栞は、体調不良の連絡を入れ、暫く休むことになった。

「専務、望月さんとは・・・・」

「あぁー、別れたよ。栞には、申し訳なかったが、俺は、この1か月半で
 愛を愛し始めている。これは、政略結婚だからとか、そんな事は
 全く関係なく、愛自信を愛しているんだ。それに気が付いて、そんな
 気持ちのままでは、愛にも栞にも悪いし、俺事態が、愛しか愛せなく
 なっているんだ・・・。
 身勝手だとは思ったけど、栞には、解ってもらうしかないんだ。」

「そうだったんですか・・・。こればかりは仕方ないですね・・・・」

「悪いが、栞の事、頼むよ・・・」

「はい、私が出来る事はしたいと思ってますので・・」

「それこそ、相楽さんは、親父とは?」

「はい、きっぱり別れました。元々、社長と私は、お互い、本気で付き合って
 いたわけではないので・・・。お互いの思うところが一緒だった。と
 言うところでしょうかね!?」

「そうか・・・。次の仕事は見つかったんですか?」

「いいえ、これから捜します。」

「役に立てるようなら、紹介しますから、いつでも言ってください。」

「ありがとうございます。その時は、遠慮なしにお願いしますね」

颯太と博美は、和やかな雰囲気で仕事を始めた。
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