止まない雨はない
誕生日会から一カ月くらいたった日…


久しぶりにフットサルの練習にやってきた。
開始時刻を1時間は過ぎているが、仕事を調整してそれでもやっと作った時間だ。
久しぶり過ぎて、体が動くかが問題だな…
そんなことを考えながら、俺は駐車場に車を進めた。



その時、駐車場の隅にいる小柄な女性が目に入った。
誰かを待っているのだろうか…
気にも留めず、さらに車を進め、その女性の横を通りぬけるとき、俺は目を疑った。



あの子だ…ゆり。



俺は駐車場に車を止めてからそちらに目をやると、タクシーの後部座席に乗り込むところだった。

その顔は間違いなくあの時の花屋の子だった。


そして、俺はまた声をかけることができず、タクシーは駐車場を後にしていた



俺は荷物を持ちみんなが待つコートに向かった。
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