私は彼に愛されているらしい2
「有紗。」

重なるキスに有紗の思考はもう働いていない。

「有紗。」

求められることに答えるだけで精一杯だった。

「付き合おう。」

そしてまた合わさる唇に促され、有紗は知らない内に掴んでいた大輔の腕から首へと手を回していく。

それが合図だった。

思考はとっくに停止して理性もとっくに手放して、本能のままに体が動いていく。

「大輔。」

掠れるような声で名前を呼んだ。

そして求めあいながら寝室へと向かう。

有紗と大輔は初めて恋人として肌を重ねる夜を明かしたのだ。

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