カラダ探し
七日目
……健司はどうして、自分から飛び降りたのだろう。


それも、「赤い人」の歌を最初と最後の一小節ずつ唄って。


もしかすると、階段を上っている時に唄っていたのかもしれないけど。


それが何か関係してるのか、あの健司は、やっぱりおかしいと思う。


まるで、誰かに操られているかのような、そんな印象を受けた。


ベッドの上で天井を見つめたまま、私はそれを考えていた。


バラバラ殺人の被害者だった「小野山美子」。


犯人は自殺して、終わった事件。


バラバラにされた怨念が、美子を「赤い人」にして。


それで、どうなんだろう。


寝起きのせいか、頭がボーッとして、考えが上手くまとまらない。


でも、わかっている事は、翔太がカラダを見つけて、棺桶の中に納めたという事。


これで、皆と協力してくれるはずだから。


私は、身体を起こして、ベッドの端に座った。


学校に行く準備をしなきゃ。


ゆっくりと立ち上がり、机の上にある携帯電話を確認した。


今日も変わらず11月9日……。


でも、カラダは残り4つ。後半分で、この繰り返す「昨日」が終わると、そう信じるしかなかった。
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