雨の日に、キミと一緒に創るエロ。

 「日替わりパスタお待たせしましたー。 千秋ちゃん?」

 そこに白木がワザとらしく『千秋ちゃん』と言いながらパスタを運んで来ると、

 「いい加減、タケはシゴトに戻れ」

 「はーい」

 やっとタケくんをシゴトに戻した。

 ・・・にしても、いいにおい。

 今日はアサリのパスタかぁ。

 あぁ、おいしい。 食べてないけど、もう分かる。 絶対に美味い。

 早速くるくるとフォークを回してパスタを巻きつけ、パクリ。

 ホラね、やっぱりね。 うーまーいー。

 『ぐふぅー』

 あ、やべ。 鼻息出た。

 「ホント、幸せそうに食うよね」

 白木が嬉しそうに笑った。

 「美味しいものを食べてるんだから、幸せに決まってるじゃん。 ワタシは料理の事よく知らないから、何がどうしてこんなに美味いのかサッパリ分かんないけど、美味いよねー」

 あぁ、美味い。 あぁ、美味い。

 今日も大満足の味に、モリモリ食べ進めていると、

 「知らなくていいよ。 教える気もないし。 知られたら店が潰れる」

 そんなワタシを診ながら、白木が白い歯を見せて笑った。
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