静かな涙【完】
お姉ちゃんの幸せ…
コンコン…―――



私はお姉ちゃんの病室をノックする…



『…はい…どうぞ』



お姉ちゃんの透き通る様な声が聞こえた…



ガチャ―――――




私は部屋に入る…




お姉ちゃんは…



私の顔を一瞬だけ見て目を反らせた…




『…お姉ちゃん…今日はね、部活で遅れちゃったから…手ぶらでごめんね…』




私は、そう言いながら昨日置いて帰った、シュークリームを捨てる…




お姉ちゃんの側には…



私が買った花とは違う花が…


沢山花瓶の中で生き生きと咲いていた…

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