復讐のkiss
何も言い返せず、

そのまま微動だにしない私。


・・・そんな私を、

オシリスは引き寄せ、抱きしめた。



「オシ・・・ん」

名前を呼び終わる前に、

私は唇を塞がれた。



・・・何がどうなっているの?



「なぜ、ラメセスなんかと結婚した?

なぜ、オレじゃないんだ・・・

戦になど行くな・・・

お前がケガをするところなど、

お前が目の前で殺されるところなど、

見たくはないんだ」



・・・そう言ったオシリスは、

一筋の涙を流した。


男の人の涙を見たのは、

これが初めてで、どうしていいかわからず、

私はオシリスをただただ抱きしめていた。
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