東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
私はお父様の借金の肩代わりついて相談しようと口を開いたけど。



中尉殿の冷たい声に怯んで躊躇してしまった。



「…貴様…何か俺に話があるんだろ?言いかけておいて…失礼ではないのか?」



「申し訳ございません…父の事について…」



お父様は外出中。


きっと…銀行に話を付けに行ったんだと思う。




中尉殿は私の婚約者。


私は包み隠さず全てを話した。



「…貴様は俺に何を言わせたい?」



「私は…」



「貴様の父親の弟が作った莫大な借金を俺に肩代わりしろと言いたいのか?」



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