週末シンデレラ番外編SS集


「こんな大事なときに倒れるなんて、間が悪いというか……これほど父を恨んだことはないよ」

征一郎さんのお父さんがデート当日の朝に過労で倒れてしまったのだ。

年末の忙しさで疲労がたまっていたらしく、元々高血圧だということもあり、今回は大事を取って入院した。

征一郎さんはお父さんの意識が戻ったら帰ると言ってくれたけど、ゆっくりして来てほしいとわたしが言ったのだ。それで、デートが本日のクリスマスイヴになった。

たしかに平日だから慌ただしい。でも、今までひとりで過ごしていたクリスマスに比べたら十分すぎるほど幸せ。

「お父さん、お元気になったようでよかったです。わたしのことは気にしないでください。こんなに素敵なレストランに連れてきてもらえたし、プレゼントまでもらっちゃって……」

プレゼントは仕事後にデパートへ出かけて、深緑のワンピースを買ってもらった。

ラウンドネックがデコルテを綺麗に、絞られたウエストと裾にかけてふんわりと開いたシルエットがスタイルよく見せてくれる。

駅近くの本屋で待ち合わせしているときに雑誌で見ていたもので、それを背後から現れた征一郎さんにちゃっかりチェックされていたのだった。

「構わないよ。……というか、遠慮してないか?」

うつむき加減の征一郎さんは、眼鏡を押しあげながら上目遣いで聞いてきた。本心を探られているようで、妙にドギマギしてしまう。

たぶん征一郎さんは、女の子ならジュエリーを欲しがるとか思っているんだろうな……。


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