サヨナラのしずく
あたしは顔を洗っていつでも出れるように身仕度を済ませた。



俊平もタバコを吸い終わると顔を洗いに行く。



そして、戻ってきたと思ったらあたしの前に立ち真剣な顔を向ける。





「いなくなるなよ」


「え?」




いきなり発せられた言葉の意味が理解できない。




「何かあったらぜってぇ俺に言え」


「……うん」


「お前のこと守ってやるから、マジで」




嬉しかった。


守ってくれる人がいるっていうのは、こんなにも嬉しくて温かい気持ちになるんだ。




「じゃ、行くぞ」


「どこ行くの?」


「落とし前つけさせにだよ」




落とし前?


あの男子たちのことかな?



あたしは気になったけど何も聞かず、俊平についてホテルをでた。




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