同期が急に変わったら…。〜将生side〜




隆也達と飲みに行った翌週。




朝の部課長会議で、

企画の部長に呼び止められた。



俺よりかなり年上で、

なかなかのやり手だ。



『藤森。
お前のところの桐谷いるだろ?』


『はい。桐谷が何か?』


『いやな。
桐谷を企画にくれないかと
思ってるんだが。』



いずみを企画に?

急な話だな。



『桐谷ですか。
本人にも確認してみますが、
彼女は営業に向いてます。』


『わかってるよ。
でもな、企画もいけるだろ?』


『それは、大丈夫だと思いますが。
今はまだ営業に残したいですね。』


『そうか。
まあ、ちょっと考えてみてくれ。』


『わかりました。』





どいつもこいつも

いずみを欲しがって、

いったいなんなんだ。



………。




いずみの気持ち次第だが、

今、営業を抜けたら宮野も困るだろう。



いずみは、

営業と宮野の補佐を兼務している。



おそらく、

宮野は、

いずみにかなり助けられている。


次期エースと期待しているだけに、

今、いずみを外すわけにはいかない。



俺だって、

もう少し、そばに置いておきたい。



完全に個人的な感情だ。

こんな感情まで持ち込んで、

俺は上司失格だな。




……。



今週末、いずみと飲みに行くか。





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