同期が急に変わったら…。〜将生side〜



久々にいずみと飲んだ酒は美味かった。


いずみと飲むから美味いんだろう。






飲み終えたら、

いつもの様に

いずみをマンションまで送って行く。






タクシーの中で、

いずみのなんでもない話。






この前食べたアイスに

星型のアイスが入ってて

テンションが上がった、とか

スーパーのレジで

金額がぴったり3000円だったから、

店員さんとケラケラ笑ったんだ、とか。






柔らかく話している。


内容は、まあ、ともかく。






いずみが一人で

クスクス笑っているから、

俺もつられて笑った。






『ねえ、将生。今日はどうすんの?』

『コーヒーか?』

『そう。』

『飲んでくに決まってんだろ?』

『はいはい。』







いずみをマンションまで送ったら、

いずみは部屋で

コーヒーを淹れてくれる。







もう、いつもの事だ。







飲んだ後に、

俺好みの濃いめのコーヒー。





いつも美味い。





これも

俺が楽しみにしている事のひとつ。







キッチンでコーヒーメーカーを

セットしているいずみ。






いずみはカチャカチャしながら、

急にテレビの音に反応した。






ハッと顔を上げたかと思えば、

バタバタとテレビの正面に行く。





『いいよね〜、この人。』





と、ミーハーな事を言って

テレビ画面に映る音楽番組に

釘付けになっている。






『お前、こいつ好きなの?』

『まあね。こういう人いないかなあ。』

『いるかよ。アホか。』






テレビ画面のミュージシャンは、

イケメンでワイルド系の男。

俺とはタイプが違う。





いい歳してミーハーしてんなよ。

イラっとした。






『いずみ、コーヒー!』

『あー、はいはい。すぐやるから。』






いずみは、

ニコニコしながらキッチンに戻った。







俺は、まさか芸能人に妬いてるのか?

痛いな。









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