【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜

『お、おい!!羽美花!?
ちょっと待てよ!!』

寝室から満君が

私を呼ぶ声が聞こえるけど

私は振り返らず、廊下を走り抜け

靴を履き、バッグを持って

玄関のドアを閉めると

急いでエレベーターに乗り込み

満君のマンションから出て行った。

涙で、顔が滲むけど拭う余裕もなく

冬の寒さが厳しい中

荷物を持ちながら

慣れない道を走って走って

大通りに抜けると

偶然客待ちをしていた

タクシーに飛び乗って行き先を告げた。

涙でぐちゃぐちゃな

私の顔を見たせいか

運転手は一瞬驚いたような顔をしたが

すぐにタクシーは発進した。


早くこの場から立ち去りたかった。

満君は裸で

何も着ていない状態だったし

どうせ追いかけては来ないだろうけど

あの場にいたくなかった。

早く…早く逃げたかった。

これ以上2人のあんな姿を

見たくなんてなかった。

鼓膜から離れない卑猥な2人の声が

私に深く突き刺さる。


…私は、騙されてたんだ。

ずっと好きだった満君に

『彼氏がいるから、噂は迷惑。』

そう言って私を安心させた豊島さんに

2人に裏切られたんだ…。

私と満君は何かも終わったんだ…。

もう、何もかもが永遠じゃないんだ。

真っ暗闇に突き落とされた私…。

明るく照らす優しい光も

御花畑に咲く愛に溢れる花々も

満君のココロに植え続けてきた

私の愛情も何もかも

豊島さんに奪われていた。

引きちぎられて砕け散るものや

毒に冒されて枯れ落ちたものまで…。



苦しい…痛い。

何もかもが…。

目から再び涙が零れる。

「…うっ。…うっ。」


駅に着くまで私は静かに泣き続けた。













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