翼~開け放たれたドア~
『理事長室』というプレートが掲げられたドアの奥。

雷は、一際立派なイスにドカッと座ると、なにやらカチャカチャと操作し始めた。

そして、マイクに向かって「あーあー」と二回ほど言ってから、何やら話し始めた。

ピーンポーンパーンポーン
「えー、境先生、境先生。
 30秒以内に、理事長室まで来てください。
 でないと、お前の恥ずかしい過去をバラす!!」
ピーンポーンパーンポーン

…雷、権力振りかざしちゃダメじゃん。

どうでもいいけど。

「25ー24ー23ー22ー21ー、15ー14ー13ー…」

数を数える雷。

20から一気に飛んだと思うのは、私の気のせいじゃないと思う。うん。
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