ここに在らず。


そう。私はめでたく…いや、めでたいのかは良く分からないけれど、何事もなく無事に高校二年生になった。

するとトウマさんは「そっか、おめでとう」と言ってくれた。やっぱり学年が上がる事はめでたい事らしい。


…しかし、学年が変わろうが相も変わらずな私の日々の日中の生活。

学校へ登校しては休み時間に図書館へ向かい、本を読む。そして帰宅後も鍵のかかった離れで借りてきた本を読む。

正直、悲しい事に本しか読んでいない。それなのに読み終える気配がしない図書館の蔵書数はすごいと思う。…まぁだからといって読み終えたいとは思いもしないのだけれども。


そんな私のつまらない日常に更なる変化が訪れたのは、二年生になってから少し経った頃だった。それはトウマさんと出会ってからあと数ヶ月で一年が経つだろうという頃合いである。


「本が好きなの?」


私は、声をかけられた。
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