極上エリートの甘美な溺愛

玲華が過ごしてきたその時間は、彼女をいい女に仕上げ、将平は更に彼女への思いを強くした。

そう感じると同時に思い出すのは篠田の姿。

昨日の打ち合わせにも、今日の待ち合わせにも篠田の車でやってきた玲華。

将平はにわかに焦りを感じ、思わずその思いを口にした。

「……いつも篠田さんと一緒なのか?」

探るような将平の声に訝しげに視線を合わせた玲華は、小さく首を横に振った。

「ううん。いつもじゃないよ。私が設計を担当するのは篠田さん以外の営業マンが受注したものも多いし。でも、一緒に組むことが多いかな。組むっていっても、私は設計で、篠田さんは、お客様からローンとか税金の相談を受けたり、新居を建設中のお客様に、その間に住む家を探したりだけどね」

「そうか」

「うん。でも、さすがに優秀な営業マンだけに、仕事は進めやすいし勉強にもなるから楽しい。……それよりも、今から行くお店って食事はできるのかな。お腹がすいて倒れそうなんだけど」

困ったような顔を向ける玲華に、将平はくすりと笑い、頷いた。

「じゃ、倒れる前に、行こうか」

よほどお腹がすいていたのか、玲華は大きな笑顔で頷き、早々に席を立った。

将平の後ろを歩く足取りは軽やかで楽しげだった。









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