齧り付いて、内出血

でも、私が口を開くより久世が動くほうが早かった。


「頼…」

聞いたこともない、久世の苦しげな声。

ぎゅううと苦しいくらいに抱きすくめられる。


「ごめん。もう、待てない。」

「待ってたら、次こそ本当に男、できるかもしれねえから。」


『待つ?』


「好きだ…。」


私を拘束する腕の強さが、否定するのは許さないとでも言っているかのようで、言葉を失ってしまった。


それから久世はからだを話して、私の目を真剣に見つめて、


「なんか、言えよ。できれば喜んでくれ。」

『く、ぜ…』

「喜んで、くれよ。」


私の頬に手をあてて、少しだけ切なそう。


素直に、ならなきゃ。

久世がここまで歩み寄ってきてくれたんだから。

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