*花は彼に恋をする*【完】

***

贅沢なほどどれも美味しくて

豪華なコース料理を夕食に堪能した

翔英さんと私は

ライトアップされた夜の庭を

指をギュッと絡ませ合いながら

もう一度ゆっくりと散歩した。

しばらくして部屋に戻ると

「…先に行ってくるといい。」

と、翔英さんに勧められた私は

先にスィートルームにある

ジャグジー付きの大きなお風呂に

入らせて貰った。

備え付けのボディソープやシャンプー

リンスは全て某有名ブランドの

バラの香りがするタイプのモノで

お湯も紅に近いピンク色。

バスルーム内はバラの香りに包まれた。

時間を忘れそうなほど

広々して気持ちが良かったけど

お待たせするのも悪いと思い

程よい時間でお風呂からあがり

備え付けのバスローブを着た私は

髪を先にサッと乾かしてから

バスルームを出ると

ソファーでテレビを見て寛いでいた

彼にお風呂を勧めた。

「……玲花。」

私のバスローブ姿に

翔英さんは一瞬目を見開いて

やがて少し顔を紅くして立ち上がると

「…俺をあまり煽らないでくれ。」

と私の頬に軽くキスをして

「…俺も行ってくる。」

と、そのまま

バスルームへと行ってしまった。













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