*花は彼に恋をする*【完】


ベッドが軋み

痛みは幸せと喜びに変わり

彼は何度も私にキスをした。

ずっと憧れていて、大好きで…。

ずっと忘れられなくて

諦めたはずの大好きな人と

結ばれた嬉しさと愛おしさが溢れ出し

再び涙が溢れた。

「…泣くなよ、玲花。
俺も嬉しくて堪らないから…。」

翔英さんは私の涙を唇で拭いながら

優しく優しく私を抱いてくれた。

この波に振り払われてしまうのが

とても怖くて

彼の背中に爪を立ててしまったけど

そんな私を抱き締め返しながら

「…ずっと玲花のそばにいる。」

「…今まで悪かった。」

「…玲花ありがとう。」

と、甘く優しく囁いてくれた。


涙が溢れて言葉に上手く出来ないけど

「…うん。」

しがみつきながら頷いて答えた。


…私こそありがとう…翔英さん。


私はこの幸せな夜を絶対に忘れない。


その後何度も何度も

お互いに何度も愛を囁いて

真っ白な世界に足を踏み入れた後

翔英さんの腕枕の中で

優しく髪を撫でられながら

やがてウトウトと眠りについた。







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