*花は彼に恋をする*【完】

***

その日の夜

帰宅した私は

夕食とお風呂を済ませた後

ボーッとテレビを見ながら

ハーブティーを飲んでいた。

その時

RRRRR…RRRRR…。

目の前のミニテーブルに置いていた

私の携帯が鳴った。

誰だろう?こんな時間に…。

そう思いながら

手に取って画面を見ると

「…えっ!?嘘!!」

着信は…黒瀬課長からだった。

「……!!」

黒瀬課長からの電話…何だろう!?

胸が高鳴るのを抑えながら

私は通話ボタンを押した。

「…もしもし?」

「…もしもし…野田さん?
黒瀬だけど、遅くに申し訳ない。
今…電話大丈夫か?」

「……あっ、はい…大丈夫です。
黒瀬課長…こんばんは。」

久しぶりに聞く黒瀬課長の声。

「…ああ、こちらこそ。
こんばんは、野田さん。」

私の大好きな男らしい課長の声が

心地よく耳に伝わる。

何気ない言葉なのに

私には何だか凄く嬉しくて

耳元が何だか

くすぐったいような気持ちになった。


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