1歳4ヶ月の息子の夜泣きが気になり、小児科へと連れて行く市花。
そこで医師から言われた言葉から物語が始まる。

育児のこと、旦那サマのこと、ママ友のこと…。
愛する息子と、愛する先生と一緒にいて幸せなはずなのに…。
市花の中に、少しずつ拡がる不安の青。

そんなある夜、先生からある事を言われ、市花は戸惑う…。

罪悪感に苦しむ美術教師と、複雑な家庭環境と義兄の関係に人知れず苦しむ女子高生との、禁断のラブストーリーの続編。

繊細且つふんわりとした独特の心理描写に、あっという間に心にスッと感情移入できる作品です。
新米ママなら経験のあることもさらりと書いてしまう。あっぱれです!!

「幸せって、なんだっけ？」（醤油メーカーのCMではないですが）
そう考えている人へ。


その答えは…。
この作品の中に、隠されています。

“恋”と“ドリンク”をかけた、温かくも切ないポエム。

恋も、ドリンクも、
甘い味もあれば、苦みの強いもの、酸味のあるものもあって………。

ひとつひとつ読む毎に、恋の淡く切ない、でもどこかくすぐったい感情が生まれる…。

二人目を出産後の響華さん久し振りの作品は、色々なフレーバーを、一度に味わえる、素敵な仕上がりになっています。


あなたは、どのフレーバーがお好み？

是非、ご賞味下さいませ。

教師を勤めるマユコは、消防士の彼がいた。
しかし彼には妻子がいた。

マユコはこの関係を断ち切ろうとするも、次々とマユコの思惑とは裏腹に、タイミングは少しずつズレていく。
そんな中、マユコの劇団仲間のウシオが彼女の相談に乗るようになり、そこからまた少しずつマユコの中で、恋するタイミングが狂いはじめてきて………。


あの時、自分がああしていれば。
もっと早く、気持ちを伝えていれば。


恋愛におけるタイミングの重要性を考えさせられる、濃いテーマを題材にした素敵な作品です。

主人公のマユコは、タイミングに翻弄されて自分を見失ってしまいますが、ラストは急展開。

私は、『タイミング、実は周りが作っていくのではなく、自分で作れるもの』と思いますが、皆さんはどうですか？


※ぐいぐい引き込まれるオトさんのしっかりとした文体と細部に渡る心理と背景描写に、この作品で私はすっかり虜になりました。

人は日々、変わりながら生きている。

変わらない景色でも、少しずつ変わっている毎日。

ありふれている日々だけど、実はありふれてなんかいなくて。

感じてしまう、孤独。
これから先のこと。

現実から目を背けたいこともあるけど、いつもと変わらない笑顔で、いつもと変わらない温もりをくれる大切な人。

その温もりを感じた時、孤独が少しずつ消えて、小さな愛が生まれる。

繋がれた手のひらの中には、小さいけど、幸せが沢山詰まっている………。
短いながらも、愛を感じさせる素敵な作品です。

情景描写もとっても素敵………。

胸の奥が、きゅん…と鳴る作品です。

リンさん初の短編。ぜひ読んでみて下さい。