颯希さんのレビュー一覧

★★★★★
2016/07/04 12:57
君の幸せな歌を

8年経って変わったこと、たくさん。 変わらなかったこと、君の声と、この想い。 今日も明日もその先も 言いたいことを言い合って、君の声と笑い合いながら、そうやって僕ら、生きていこう。 「冬和の声が澄んでいるってこと、あのとき気づけて良かった」 繰り返された数年越しの言葉に、ひどく懐かしさを覚えてじわりときてしまいました。高校時代から紡がれてきたふたりの物語を、まるでずっと眺めていたかのような。重ねた時をゆっくり懐古するような。そんなあたたかい気持ちになります。 時が流れてもずっと好きで、ずっと信じていられて、ずっと帰りを待てる。そんなふたりの関係が可愛くて素敵で、まさにおしどりカップル。作り出される空気がやっぱりふわふわと優しくて癒されました。人を想うっていいな、と心動かされます。 素敵な物語をありがとうございました。そして冬和くん月歌ちゃんおめでとう。ぜひ、御一読を。

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★★★★★
2016/06/14 01:21
嘘もまことも、この涙も

静かで 深くて 暗くて 深海のような、夜。 互いに背を向け合っておやすみの時間。 目が覚めたって朝は来ない。 それでいい。あなたは一生、知らなくていいのだ。 * たった三頁の物語の中に切なさと憎らしさと、抑えきれない愛しさが凝縮されていました。泣き喚いて訴えているわけではないのに確実に胸の奥に浸透してくる叫び。この短い世界でこんなにもふたりの物語を深く紡げる由仁さんの文章がほんとうに好きです。後書きに書かれていた「ひとつの愛の終着」という言葉に何度も頷いてしまいました。 どうかいつか、ふたりがそれぞれの幸せを捕まえて朝を迎える日がきますように。胸に響く素敵なお話ありがとうございました。ぜひ、御一読を。

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★★★★★
2016/05/19 23:10
中崎町アンサンブル

現代の格好に身を包んで 紺色の町を歩く彼 確かに現実はそこに在るのに、どこか御伽の世界へ迷い込んだような。日本の歴史を刻む町、それなのに時の流れと共に現実感はすっかり消えた。まばたきのうちにすべての物語が動いてしまったような。 異国情緒を感じさせる空気の色、それでいて懐かしくもの哀しい情景。ちぐはぐで美しい世界でした。 「ここはさながらポラーノの広場さ」 彼と彼女の理想郷でのひとときは、古い写真のように色褪せたりはしない。もう一度造ろうなんて、思ったりはしないけれど。 彼は目を閉じて思い出す。 一歩踏み入れれば浸かれるような、哀愁と共に自分の過去が蘇ってくるような。それでも、最後は彼女の言葉に救われる。素晴らしい世界観でした。素敵な作品をありがとうございました。 ぜひ、御一読を。

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★★★★★
2016/05/17 01:41
とある犯罪者たちの雑談

薄暗い 刑務所の中で 繰り広げられる なんてことない雑談の記録 青年の独白 歪んだ口元から紡がれてゆく すべては 大切な人への愛ため 「だってボクがここにいるのは名誉なことですからね!」 そう言った青年の瞳は ひどく澄んでいたことでしょう だって愛しているのだから だってすべて 彼女のため なのだから * 視点も景色も感情も読み取れず、隔離された空間にいるかのような錯覚を覚えます。群像劇のようなストーリー展開、いつまでも無邪気な青年、何も語らない主人公。すべての演出にぞくりと身震いしました。 何かに引き寄せられるようにページをめくる手が止まりません。 青年にとって最高のハッピーエンド。メリーバットエンド。 濁りのない、青年の愛の話です。 捕まってみてください。ぜひ御一読を。

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★★★★★
2016/01/10 22:52
ご主人さまの冷酷彼氏

しっぽ触られんのはうざいし、ご主人さまを悲しませたらネコパンチ百裂拳するし、困らせたらほっぺた引っ掻くし、 人間だったら、彼氏だったら、もっと大事にするのになあ。 * 斬新な黒猫目線。それなのに違和感なくふんわり心になじんで、感情移入すらしてしまいました。ネコ特有の表現とか行動とか、いちいち可愛いし面白い。これだからかなさんは!好き!と思いながらつい声を出して笑ってしまいました。数十分、最初から最後までこの世界の中。 生き物が生き物を好きになるって、こういうこと。幸せだったり辛かったり甘かったり苦かったり。やっぱどうしても好きだったり。1匹と1人のおかげであかねのいいところ可愛いところがたくさん見れました。だから「好き」に人間も動物も関係ないんだって。そう思いました。 最後にひとつだけ。登場生物、もれなくみんな激可愛いので注意です。 素敵なお話ありがとうございました!ぜひ御一読を。

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★★★★★
2016/01/09 02:19
オレンジジュースとアイスコーヒー

こんなに透明で澄んでいて、心に響くものだった。 ゆっくり積もっていく思い出に自信がないし申し訳ない。柔らかくて優しくてかっこいい君に気付いてしまったから、余計に自分が不甲斐ない。そんな気持ちを抱えてから今更好きになったなんて。こんなに好かれていることも知らなかったなんて。 隠し続けることもできた気持ちをはっきり伝えられるのが月歌の良さ。それを頷きながらじっくり聞いて優しく包み込めるのが冬和の良さ。言葉足らずなところはお互いが補い合って。伝えよう。 ──好きなのは、君だよ。 * すれ違い思い悩む姿、決心する姿、伝え合う姿。すべてが生き生きと描かれて本当に素敵です。彼の歌声のように作者さまの文章も澄んでいて心にストンと落ちてくる。同じ景色が見えてきて涙が出そうになる。作品のすべてに脱帽です。 素敵なお話ありがとうございました。ぜひ御一読を。

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★★★★★
2016/01/08 12:39
ネタバレ
本日ヒーロー不在につき

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★★★★★
2015/08/09 21:23
ネタバレ
あ。俺、重症だ。

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★★★★★
2015/06/07 14:49
フラスコ小世界

空想とは言い切れない世界のお話。 この世で君だけがこの海と空と太陽の本当の姿を知っている。この地面の意味も知っている。生きる意味も気付いてる。 君の目にしか映らないフラスコ小世界。 僕の目には儚く見上げる君しか映らないけれど。 世界の外の彼らの視線は分かるのに、君は、すぐ隣の僕の視線には気付かない。 待っているよ。 いつか世界が終わるまでに、君の瞳を奪える日を。 * 小説のための想像上の世界だ、と、言い切ることができない世界の姿に、はっと気付かされました。確かな世界などなくていつでも私たちは宙ぶらりんに生きている。 外を見つめる少女と隣を見続ける少年の、アンニュイで別世界のようなある日の話。 素敵なお話ありがとうございました。 ぜひ御一読を。

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★★★★★
2015/06/07 13:43
ブルースプリングの心臓

────好きな香りの3秒間 目を開くと、世界が変わった 春。決断の季節。変わりゆく季節。 これは、そんな青春の儚い一頁が見事に切り取られた作品。確かなあたたかい空気と、いつも隣にいた彼と、未来を始める人生の一瞬が、やさしく描かれているお話。 希望と不安と思春期と。 それぞれを抱えてはじまりに駆け出していくふたりの姿。胸をきゅーんとつかまれました。読破後は、じーんです。 いつか終わりがくるなんて、怖がっていても始まらない。おなじ未来に、これを機に、歩みだしてみようじゃないか。 かわいい高校生の青春ワンシーン。 素敵なお話ありがとうございました! ぜひ御一読を。

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★★★★★
2014/07/25 17:53
ネタバレ
俺を嘘つきにしないでよ

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★★★★★
2014/07/13 21:54
ネタバレ
カレイドスコープの季節

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★★★★★
2014/07/13 21:20
ネタバレ
夕暮浪漫

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★★★★★
2014/04/06 14:56
ネタバレ
春告鳥とクマとねこ

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★★★★★
2014/04/06 14:26
ネタバレ
嘘つきラブレター

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★★★★★
2014/04/05 15:12
瞬き

町並みは、人の心は、移ろうもの。 日常が 思い出が やがてやさしい過去になり、変わって行く町並みの中で、脆く儚い貴女を見て、馳せるんだ。 ──かき集めた花びらが宙に舞うのが、すごく綺麗で。 * まばたきすれば過ぎ去ってしまうようなあの頃の日常。そして命のまたたきも、また一瞬。 過去に変わってしまう前に 泣いてしまう前に 閉じ込めておきたいのだけれど、それはかなわない。だからこそ思い出はとてつもなくやさしく、あたたかく輝いているのでしょう。 忘れない。わたしだけの秘密。 柔らかい文章には惹き付けられ、感傷的な情景が鮮明に浮かんできました。どこか儚い登場人物たちからは、ほんのり切ない情感が伝わってきました。 春にぴったりな、あたたかくてやさしい恋の話。素敵な物語をありがとうございました。 ぜひ、御一読を。

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★★★★★
2014/04/03 18:21
ネタバレ
AM 0:00

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★★★★★
2014/03/30 15:46
ネタバレ
もう陥落寸前

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★★★★★
2013/12/31 01:56
ネタバレ
読めない本と透明な虫

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★★★★★
2013/10/15 17:22
ネタバレ
宇宙旅行へ行きませんか

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