まず、インパクト大なタイトルからしてやられました。

お話はアラフィフを迎えた“お嬢様”の雪恵と、ずっと彼女に尽くしてきた執事である和樹の、ちょっとすれ違いなラブストーリーです……が。

やはり、アラフィフ同士。長年ずっと一緒に居るからか、もはや家族と言っても遜色ないツーカーぶり。阿吽の呼吸が素晴らしい。温泉でも銀婚式の夫婦に間違われたり……。

けれど、その実はお互いに事情があり素直になれず。雪恵は鈍感＆恋愛経験無しなお陰か、気づくまでにずいぶんと時間が。

一緒に居すぎてしまうと、逆に言いにくいことってありますよね。だからこそ長年溜め込んだ分。許された後の甘さが砂を吐きそうなほどに。

雪恵がわりとリアリストなのに、惚れた欲目か和樹の溺愛っぷりがまた。二人の温度差がまた面白いです。

なかなか渋いテーマですが、短編なのでサラリと読めて面白かったです。