背徳の薔薇



平日の昼下がり。

ホテルの一室に入ったとたん、千夏は僕の首に腕を絡ませ口づけを迫ってきた。

かすかに微笑み、そっと触れるだけのキスをすると、それだけではもの足りないというふうに、切なげな瞳で僕を見上げる。

僕は千夏をぐいと引き寄せ、深いキスを何度も繰り返した。

そのまま、小さな部屋の真ん中に陣取っているダブルベッドになだれ込み、千夏を見下ろす。

「潤が欲しい」

千夏のかすれた声に、胸が熱くなる。

「好きだよ」

そう耳元で囁き、千夏の長い髪を指でそっととかす。

そして、彼女の身体中にキスを落とし、欲しいままにただただお互いを求めあった。
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