秘密が始まっちゃいました。
プロローグ



第一販売課のオフィスは、
電気がつけっぱなしかもしれない。

その日、珍しく長時間の残業をした私は、確認してから帰ることにした。

時刻は21時。


他の部署なら、わざわざ電気のチェックなんかしない。
第一販売課は特別だ。


あそこの連中は社内ルールなんか気にしない。
電気が一晩つけっぱなしでも、オフィスの施錠ができていなくても、
関係なーいって顔をしたヤツラばかり。


それを許しては、総務部の名折れだ。

望月日冴(もちづきひさえ)29歳。
6年間の総務部勤務をなめるなよ!

私は3階のオフィスを目指して階段を上る。

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